ZtS東京

実施日

2016年
611
(土)

最高峰

多摩山地
雲取山
2017m

水系

多摩川
(多摩川~日原川~大雲取谷~唐松谷)

総距離
120km

所要時間

16時間39
[00:57-17:36]

実施日

2016年
611
(土)

水系

多摩川
(多摩川~日原川~大雲取谷~唐松谷)

総距離
120km

最高峰

多摩山地
雲取山
2017m

所要時間

16時間39
[00:57-17:36]

出発前(前夜~スタート地点)

予定どおり17時に仕事を終え川崎駅へ。餃子専門店で夕食、コンビニで寝酒と翌朝の食糧を調達後、カプセルホテルへ。睡眠時間確保のため風呂は割愛、19時すぎに横になるが20時近くまで寝られず、23時前には自然に目が覚める。3時間睡眠は厳しい、5時間は欲しい。

ホテルを出て郡司先輩との待合せ場所へ。川崎駅から羽田まで車で送っていただけるとのこと。嬉しすぎて言葉もない。さらに両角先輩と横山先輩まで見送りに来られているとのこと。なんというサプライズ。

僕の準備不足もあり、スタート地点の確定に手間取る。結局トンネル内で三人の先輩方に見送られながら00:44スタート[写真1]、おそらく47都道府県で唯一の「サブゼロ(海面下)スタート」だ。

00:57 多摩川河口 [0km]

多摩川水面タッチの儀であらためて仕切り直し[写真2]。120kmの旅がとうとうはじまった。

01:33 六郷橋 [7km]

暗闇を黙々と走りながら思慮に耽るつもりだったが、昨晩の餃子のせいか胸焼けがひどくそれどころではない。どこで吐こうか、用達はどこでするか…ひたすらそんなことだけを考えて走る。

多摩川河川敷は散々走ってきたが、酔っ払い、若者、ならず者らに絡まれると面倒なので普段とは違う土手上のサイクリングロードを走るが、橋脚の通過が意外と難しく所々で想定外の時間を食わされた。

夜中の河川敷はいつもと違う表情で、時折暗闇の中に突然現れる歩行者とすれ違う度にギクッとなる。花火に興じる若者たちに不思議そうな目で見られる。 

02:22 玉堤 [15km]

あまりにひどい胸焼けをどうにかしたい。ショック療法のつもりでザックの中の朝食(カスタードメロンパン、メープル&マーガリンパン、カフェオレ500㎖)をとるが余計に気持ち悪くなる。

二子橋手前で用達中、二子玉川駅で弾丸発見というニュースをスマホで見てしまった。銃声を聞いたらとにかく伏せろーー海外でプロのガードマンから教えられた鉄則をまさかここで思い出すことになるとは。

03:00 二子橋 [20km]

時折眠気が襲ってくる。三時間ほど仮眠をとったらラクになるなぁ…などといつの間にか考えている。でもそんなわけにはいかない。

03:32 多摩水道橋 [26km]

ほんのり東の空が明るくなってきた[写真3]

03:55 調布市 染地 [28km]

コンビニ補給①

05:00 関戸橋 [36km]

サポートを依頼している植竹君に現況報告の速報 第0報を打つ。この辺りから植竹君が待つ羽村大橋まで、キロ4分40秒台ペースで快調に飛ばす。

06:28 福生市 多摩川中央公園 [53km]

案内板で雲取山が見えていることを知る。本日初めてのご対面[写真4]

06:43 羽村大橋 [55km]

植竹一家のサポートで10分弱の休憩補給②。温かいおしぼりタオルが心底ありがたい[写真5]

07:00 羽村取水堰上 [56km]

概ね予定どおりの進行。定期速報 第1報を打つ。ここから中盤戦、気温が上がり厳しくなっていくが、十分に休みを取りながらマイペースでいきたい。

07:24 河辺春日神社 [60km]

奥多摩に来たことをじわじわ実感。ただし水流からは離れてしまっている。

東青梅でコンビニ補給③。せっかく胸焼けが治まってきたのに、マンゴープリンで再びウェップとなる。

09:00 沢井駅 [71km]

車の通行量が多い青梅街道をしばしば離れ旧道を走る。奥多摩には何度も来ているのに初めて知る風景、素晴らしい[写真6]。それにしても青梅線の電車が気になる。あれに乗ったらラクだろうなぁ。アップダウンがつづき、羽村手前でペースを上げたせいか脚がやや鈍り気味。御嶽駅を過ぎると所々歩道がなくなる。頑張りどころだ。

10:30 奥多摩駅 [84km]

予定時刻ぴったりで奥多摩駅到着。しずかに感動に浸る[写真7]。ここでしっかり補給を、と駅前の食堂と弁当屋に入るもどちらも準備中。諦めて先を急ぐ。植竹君のデポ食が俄然楽しみになってきた。

 

今回の核心部は交通量が多い青梅街道とみていたが、車はそれほど多くなく助かった。青梅街道の予想通過時刻から逆算した計画がうまくハマってくれたようだ。日原街道も同様に車はまばら、ロードバイクもほとんどいなくなった。

川乗谷出合あたりからようやく川を身近に感じられるようになる。沢登りしたら気持ち良さそうだ。

11:34 日原トンネル入口 [91km]

植竹君のデポ食ゲット④。トンネルを吹き抜けてくる超涼しい風を受けながらいただいて生き返る。まるで天国のようだ。


11:55 東日原 [93km]

もうすぐ100kmだが脚はすこぶる快調、問題なし。名水「萬寿の水」をボトルに詰める[写真8]

12:23 八丁橋 [96km]

舗装路になにやら爪のようなもので引っ掻いた痕が。大きさは熊の手ぐらいだろうか。最近世を騒がせている人食い熊のニュースが頭をよぎる。熊鈴を持ってくるべきだった。

下山者ともちらほらすれ違う。猿もいた。単調な大ダワ林道は眠気とのたたかい。とにかく眠い。

13:07 大ダワ林道分岐, 標高1000m [101km]

舗装路と別れる。ここからは登山道、ようやく僕の本領発揮だ[写真9]

唐松橋で沢(唐松谷出合)に下りるか迷うが、足場がヌメっているのと面倒なのとで止める。まだ萬寿の水が700㎖残っている、大丈夫だろう。

13:27 富田新道入口, 標高1120m [102km]

山頂まで標高差900m。登頂予定時刻の15時には何としても間に合わせたい。残り90分、10分で100mのペース、間に合うはずだ。

しかし眠い。猛烈に眠い。150m/10分ペースで順調に標高を上げるが、4, 5分毎に立ち止まっては30秒ほど目をつぶる。気を抜くと意識を持っていかれそうになる。本日一番の正念場。

14:20 標高1700m  [105km]

長沢背稜と石尾根が見えた。山頂は近い。が、持参した地形図がおかしい。よく見ると、国土地理院のウェブサイトから出力してきたのに、雲取山付近だけ画像が乱れている。そんなバカな、あり得ない。それと水が足りるか不安になってきた。やはり唐松橋で水をたっぷり飲んでおくべきだった。

14:58 雲取山, 標高2017m [110km]

よし、15時前に着いた。根性で間に合わせた。山頂で感動のフィニッシュ!
[写真10] のはずが、カメラを持って待ち構えているはずの植竹君がいない。茫然としているとどこからか現れ、ぜんぜん元気そうじゃんと驚かれる。まさか予定どおり登ってくるとは思わなかったとのこと。おいおい、何年付き合ってんだよ…

しかし股擦れがひどく、歩くのも辛い。石尾根経由氷川下山はきっぱり諦め、ヤラセのフィニッシュ写真だけ撮り、鴨沢に向かって下山開始[写真11]。MTB植竹号はあっという間に消えていった。手負い(股擦れ)の僕はしばらくガニ股でトボトボ歩く。すごく情けない。

17:36 鴨沢 小袖乗越 [119km]

七ツ石小屋で最後のオニギリを投入してからはけっこう快適に走れた。股擦れもいつの間にか気にならなくなっている。こうなれば早い、あっという間にゴール。これなら石尾根を下りれたかなとスケベ心も出たが、なにはともあれ "Zero to Summit 東京" の完成だ[写真12]

水根で縦走組の崎山先輩をピックアップ、奥多摩駅で沢組の竹村先輩、郡司先輩、玉澤先輩と合流。よく聞けば僕が断念した石尾根縦走路は先輩方を含む計3パーティーでリレーされ、時間差ながら完結していた。それを知った瞬間、なんて良い山行だったのだろうと胸が熱くなった。

ビアカフェ・バテレの自家製ビールで乾杯[写真13]。これまで飲んだどのビールよりも美味い。頭上には梅雨前の爽やかな夕焼け空が広がっている。急速に暗さを増していく夜空とシンクロするように、溶けるように酔っていった。